微動探査で耐震性を確認!中古住宅を安心して買う方法を紹介
自然災害に備えることは必要ですが、住居の耐震性に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。特に中古住宅は、耐震基準を満たしていないものや、劣化が進んでいる物件も存在します。中古住宅の購入を検討している場合は、「耐震診断」よりも「微動探査」の実施をおすすめします。この記事では、耐震診断よりも微動探査をおすすめしているのかをご紹介します。
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中古住宅はまず住宅診断で状態をチェックしよう
中古住宅を購入する際は、最初に住宅診断(ホームインスペクション)を行い、建物の状態を確認することが重要です。見た目では分からない劣化や、耐震性に関わる問題が潜んでいる住宅も少なくありません。事前に住宅診断を行えば、安全な住まいかどうかを判断しやすくなります。また、建物の現状を把握できれば、今後のメンテナンス計画を立てやすくなるという利点もあります。
中古住宅で実施される耐震診断とは
中古住宅では、耐震性能を確認するために耐震診断が行われますが、2000年より新しい住宅では基本的には耐震診断は実施されないため、2000年以降の建物は微動探査の方が有効です。
耐震診断では、建物が地震に耐えられる構造かどうかを専門家が詳しく調べます。現地での目視確認、図面との照合、壁や基礎の強度確認などが主な検査内容です。しかし、この耐震診断は、大地震で倒壊する可能性を「4段階」で判定していますが、調査する建築士によって評点が異なるのです。
建築士によって大切な評点が違ってくるということは個人的には疑問を感じます。
耐震診断の基準と内容
耐震診断には以下の基準があります。
- 旧耐震基準
- 新耐震基準
- 2000年基準
それぞれ詳しく解説します。
旧耐震基準
旧耐震基準は、1981年5月以前に建てられた建物に適用される基準です。旧耐震基準では、震度5程度の地震で建物が倒壊しないことが目安とされていました。しかし、近年頻発する大地震に対しては、安全性が十分とはいえません。築年数が古い中古住宅は、旧耐震基準に該当する可能性が高いため、耐震診断や微動探査の結果によっては、耐震補強が必要です。
新耐震基準
新耐震基準は、1981年6月以降に導入された耐震基準です。「震度6強から7程度の地震でも倒壊しない建物」を目標に規定されました。新耐震基準では、構造部材を強固に固定する金具の使用が義務付けられた点と、耐力壁の量を大きく増やした点が特徴です。旧耐震基準と比べると、耐震性能は向上しましたが、施工状況によっては安心できない場合もあります。
2000年基準
2000年基準とは、新耐震基準をさらに厳しく改正した耐震基準です。2000年は、住宅品質確保促進法が制定された年であり、耐震性能が厳しく求められるようになりました。特徴として、基礎構造の強化や地盤調査の義務化など、設計段階から地震対策が強化されています。2000年基準以降の住宅は比較的安全性が高いとされ耐震診断は基本的には実施されませんが、長年住まわれた住宅は劣化が進んでいる場合もあります。そんな場合は微動探査で調査することをおすすめします。
中古住宅で耐震診断が必要な理由
築年数が古い建物は、現行の耐震基準に適合していない場合があり、大地震で倒壊するリスクを抱えています。特に、旧耐震基準で建てられた住宅は要注意です。建物の耐震性を把握できれば、必要に応じて耐震補強の検討が可能になります。震災が起こるかもしれないという不安の中、安心して暮らすためにも、購入前に耐震性を確認しておくことは必要不可欠です。
より正確に診断するなら「微動探査」が有効
中古住宅の耐震性をより正確に確認したいのであれば「微動探査」の活用が有効です。微動探査は小さな地盤振動を計測し、建物の揺れやすさを数値化できる診断方法です。特に、入居時に微動探査で耐震性を測定をしておけば、地震後の数値と比較したときに、今後も住み続けられるのかを判断できる材料にもなります。
また、解析については調査した人が行なうものではなく、防災科研とよばれる国立研究開発法人が行うため、当社は、住宅診断よりも微動探査の方が信頼性があると考えます。
ただ、住宅診断は建物だけの耐震性を確認することに対して、微動探査は建物と地盤の揺れやすさを確認するものなので、両方実施することに越したことはありません。
微動探査の実施で安心できる暮らしを
まとめると、耐震診断は築浅物件に対しては有効ではないですが、微動探査は新築住宅でも工事中でも良く時を選びません。
耐震診断は建築士によって評価が変わることに対して、微動探査はちゃんとした測定をすれば結果が大きく変わるようなことはありません。しかも、データを解析するのは国立研究開発法人のため信頼性があると言えます。
また、微動探査の真の目的は、その時点での耐震性を確認することはもちろんなのですが、将来、大地震が起きた後や経年劣化によってデータがどの程度変わっているのか判断できることがとても良いと考えています。